家族目線で解説!自宅介護の要、ケアマネの役割と支援内容

在宅

親が介護サービスを利用しているようだけど、なんだかよく分からない」「親が高齢になり色々と支援が必要になってきているけど、介護保険とかよくわからないしなんとなく踏み込めない…」そう感じて困っている、なんてことはありませんか?利用すれば何かと便利な介護保険。介護保険を利用しながら自宅での生活を続けるための要、ケアマネジャー(ケアマネ)の役割と支援内容について家族目線で解説します。

山崎ショウ
山崎ショウ

この記事の作者:
ホームヘルパー、デイサービス、特別養護老人ホームの管理者を歴任。
10年間で延べ1000人以上の介護相談を受ける。
保有資格:社会福祉士、介護福祉士他

ケアマネは困りごと解決のコーディネーター

高齢になり、少しずつ体が動きにくくなって物忘れも気になってきた」そのような方が自宅での生活を続けていくには様々な困りごとが出てきますよね。
困りごとを解決するために活用できる介護サービスや制度利用に結び付ける、コーディネート業務を担っているのがケアマネジャー(ケアマネ)です。
本人の「こうなりたい」、家族の「こうなって欲しい」を実現させるための介護計画(ケアプラン)をたて、具体的にサービス等の利用まで繋いでくれる。また、サービスの利用開始後も継続的に様子を見守り、必要であればそのつど新たな提案やプランの見直しもしてくれます。

完全オーダーメイドのスーツを新調する際、事細かに身体のサイズを測ったり要望を伝えたりしますよね?ケアプラン作成にも同様のことが言えるのです。

自分や親にピッタリのケアプラン」を作ってもらうには、コーディネーターであるケアマネに「思い」や「要望」をしっかり伝えることが重要になってくるのです。

下記項目では、ケアマネの役割や支援内容を、家族目線、ケアマネ目線で解説しています。
ケアマネの役割を正しく理解し、適切な関係を築くことであなたの介護に関する悩みを少しでも改善できれば幸いです。

ケアマネの役割について

本人、家族によりそった介護計画(ケアプラン)をたてる

介護サービスを利用するために、まずはケアプランをたててもらいます。

・何に困っているのか → ニーズの洗い出し
・どうなりたいのか → 目標設定
・目標を達成するためにどうするのか → サービス選定
・どのくらいの頻度で利用するのか → サービス内容

上記のような形で、ケアプランを組み立てていきます。
「何に困っている」「どうなりたい」の部分に本人や家族の意見や要望がしっかりと反映されていると、満足度の高いケアプランになるということです。
ケアマネは自身の持つ経験や知識を生かし、要望に沿ったサービス事業者やサービス内容を提案してくれるため、その中からより分達にピッタリだと思うものを選んでいくことでケアプランが完成します。

サービス事業者との橋渡し

実際に利用するサービスなどが決まると、次にそのサービス事業者との橋渡しをしてくれます。

・本人、家族、ケアマネ、事業者での打ち合わせ → 要望を伝える手助け
・サービス調整 → 利用曜日や時間帯など、スケジュールの調整
・情報収集 → 利用中の様子など、家族からは見えにくい部分の情報収集

一言にサービスを利用するといっても「どんな人がやっているんだろう?」「どこまでやってくれるんだろう?」「あまり注文をつけると迷惑がられるかな?」など、よく分からず不安に思う部分がたくさんあると思います。事前にしっかり打ち合わせをすることで、それらの不安解消をすることできます。

ケアマネは本人、家族のかわりに関係事業者へ連絡し、打ち合わせの日程調整などをしてくれます。

生活の見守り

サービスの利用がゴールではありません。利用開始後も「休まず行っているのかな?」「ご飯はちゃんと食べているのかな?」など、離れて暮らす家族では把握しにくい心配ごとは数多くあると思います。
ケアマネは利用中の様子をサービス事業者に確認したり、定期的に自宅を訪問して生活状況を確認してくれています。家族からは見えにくい本人の情報をたくさん持っているということですね。

不安は「知らない」「分からない」ことから生まれます。普段の生活を把握しているケアマネとしっかりとコミュニケーションをとり、知らない部分を減らしていくことで、介護に対する不安感を解消していくことができます。

ケアマネにお願いできること

お悩み相談

ケアマネは生活支援の専門家です。経済的な問題や家族関係の不安など、直接ケアマネや介護保険で解決できないことがらであっても、それらを解決するための方法や手段などの知識を豊富にもっています。
どうして良いか分からずずっと悩んでいた事柄も、ケアマネに相談してみたら「こんな制度があったんだ!」というケースは多くあります。
ケアマネに気軽に相談できる程の信頼関係を築ければ、在宅生活に関わる不安はグッと減ると思います。

「認定調査」の立ち合い

介護保険には認定期間というものがあり、期間満了の前に「認定調査」を受ける必要があります。
認定調査では生活状況や身体の状態、認知症の有無などを確認するために認定調査員が自宅にやってきます。
認定調査では「一人で買い物に行けるか」「食事の用意はどうしているのか」などを聞かれるのですが、本人にもプライドがありなんでも自分でできると答えてしまうケースが多いのです。
そんな時に普段の状況を把握しているケアマネが同席していると、正しく本人の状態を伝えることができ適正な調査結果に繋がります。

入所に向けての支援

「自宅での生活を頑張って続けてきたものの、いよいよ在宅生活が厳しい…」という場合、入所施設を探すことになります。
その際、まず最初に相談する相手がケアマネになります。周辺施設の情報提供から、施設側とのやり取りなどを支援してくれます。
「入所したら担当を外れることになるし、相談しにくい…」など気にされる方も多いですが、入所支援もれっきとしたケアマネの役割であるため、気軽に相談してください。

ケアマネからみた家族との関わり

これまでは家族目線でのケアマネとの関わり方についてお伝えしてきたましたが、反対にケアマネは家族との関わり方についてどのような認識を持っているのかをお伝えしたいと思います。
ケアマネは多くの場合、約40名ほどの担当を持っています。その一人一人に合わせたケアプランの作成や定期訪問などを行っているわけです。
限りある時間の中でそれだけの業務をこなしいくために生活状況の把握(病状の把握や介護保険関連の手続きなど)をスムーズに進めていく必要があります。
そこで重要になってくるのが「家族との連携」です。
家族との密な連携により、受診日程や各種手続きの進捗を把握することでケアプランの作成が容易になります。
つまり、ケアマネも家族とのコミュニケーションを必要としているのです。

まとめ

これまでケアマネの役割について家族目線、ケアマネ目線でお伝えしてきました。
両方の立場から互いに連携を必要としているのに「なかなかうまく連携が取れない…」という相談を受けることが多くあります。
まずはどんな人がケアマネをしてくれているのか、親とどんな関わりを持ってくれているのかを知るところから始めると良いと思います。
ケアマネの人となりが分かれば、そこから信頼関係の構築を目指していくことができます。
信頼関係ができ、気軽に何でも相談できる状況になれば、介護にまつわる様々な不安は解消されるはずですよ。

「家族だから」「ケアマネだから」とあまり構えてしまうのではなく、フラットに話ができる関係は素敵ですよね。

最後に、ケアマネは生活支援のプロといっても一人の人間です。人間同士には必ず相性があり「どうしても合わない」というケースはあるかと思います
その場合、担当者の変更や事業所の変更はいつでも可能です。ケアマネとの連携がうまくいかず、どうしてもストレスがかかってしまうという状況であれば、直接事業所の管理者さんへ相談をしたり、地域包括支援センターへ相談することができます。
もし「気まずくて言いにくい」ということであれば、訪問介護やデイサービスの相談員など誰でもよいと思います。
我慢するのではなく、自身の思いや感情を発信していくことが自分自身を助けていくのです。

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